2-124 ケッペンの気候区分図の二次加工をする①

われわれが高校地理の授業でケッペンの気候区分を扱う際には,教科書や地図帳に掲載されている気候区分図を活用することが多い。例えば私の場合には,学校で使用する帝国書院「新詳高等地図初訂版」という地図帳の中にある,「W.P.Köppen原図・1923年発表,R.Geiger,ほか修正・1954年発表ほか」という気候区分図を使用している。
ただし気候区分図については,教科書,地図帳,参考書などによって異なる出典の図が使われており,統一性がはかられていない部分がある。したがって,正直いって私自身は,気候区分図の活用にあたっては,おおよその気候タイプの分布を読み取らせる程度に利用するべきもので,絶対のものではないと考えている。
ただそれにしても,やはり活用するのであれば,なるべくオリジナルの「ケッペンとガイガーの気候区分」に依拠したものであることが必要だと思う。現在では,フリー百科事典のWikipediaで「ケッペンの気候区分」で調べていくと,容易に1951年-2000年のデータを基にこの気候区分を修正した「最新版」が入手できるようになっているので,そうした資料を「教育現場」にも反映していくこともわれわれには可能である。
特に「入手できる最新版」の中には,Illustartorでも容易に二次加工できるpdf形式の図もある。つまりウィーン獣医学大学自然科学学科のHPから入手できるそれである。この図は.「World Map of the Koppen-Geiger Climate Classification」という,世界の気候タイプを31に区分けしたもので,0.5度四方メッシュの気候区分図であり.地図帳に掲載されているようなものとはあまりにも互いがあるため,そのままでは使えない。しかし,Illustlatorを使って二次加工することで,例えば砂漠気候の分布図を作成することもできる。
今回は,この図の二次加工の方法についてみていきたい。
まず必要な作業は,ウィーン獣医学大学自然科学学科のHPから,気候区分図をダウンロードする作業である。PDF形式のファイルについては,A1とA4の二つのサイズが用意されているが,よりファイルサイズの大きいA1サイズのファイルをダウンロードする。ダウンロード後は,Illustratorを起動させ,その画面上でPDFファイルを開くのである。
Wikipedia「ケッペンの気候区分」
ウィーン獣医学大学自然科学学科
Adobe Illustrator CS4
■ 地球の公転距離