2-62 NASAのGISソフト「G-Projector」とIllustratorを連携させた主題図作成

近年,リモートセンシング画像を編集した地球儀地図(Google earht,World Windのようなもの)や世界地図を活用されることも多い。自作資料の中に使われていなくても,教科書や地図帳に掲載されているそうした地図を「大地形」の説明資料として,活用したことがある先生方も多いと思う。
ただこれまでは,それらの地図については用途が多い,世界地図の図法(地図投影法)は,地球儀タイプのものか,ミラー図法(メルカトルの改良版)のものに偏っていた。しかし,アメリカ航空宇宙局NASAのHPでは,そうしたリモートセンシング画像による世界地図について,さまざまな図法のものを自作できるGISソフト「G-Projector」の無償提供サービスを行っている。
このブログに掲載しているのは,このソフトで私が試作した資料である。最近の「小縮尺の地図」や「地図投影法」の高校地理での扱いは,専門的な扱いをさけるようにということになっていたと思うが,こうしたGISソフトで作成されたさまざまな図法の地図と,地球儀タイプ(Google Earthタイプ)の世界地図を生徒に対比させ見せることによって,「●●図法によってゆがめられるもの」,「●●図法によって明らかになるもの」が明確になる。
なおこのソフトによって作成した地図は,JPG,gif,png形式などだけでなく,pdf形式でも保存が可能である。とくにpdfのファイルをIllustratorで読み込んだ場合,世界地図上の経線・緯線は二次加工できるベクトルデータとして読み取りが可能である。リモートセンシングの部分は,画像形式になっているため本格的な二次加工はできない。しかし明暗や色調を調整したり,グレースケールモードに加工することは可能である。私自身まだこのソフトを使った本格的な教材はつくっていないが,Illustratorによって画像データを二次加工することによって,面白そうな教材が作れるのではないかと思う(2-17に関連記述あり)。
NASAのGIS無償ソフト「G.Projector」のダウンロード
Adobe Illustrator CS3
■ 地球の公転距離