2-50 フリーソフト「お天気アニメーター」による効率的な気象衛星画像の収集と,その活用

以前も書いたように気象衛星画像は現在,「気候」の学習素材として,とくに重要なものの一つだと考える。ザラ紙にモノクロで印刷した資料を使うことが多い教育現場では,とくにグレースケール(モノクロ)の画像が有用性が高いと思われる。私も,「大気の大循環」を授業で扱う際には,かならずモノクロの全球タイプの「気象衛星画像」を印刷したものを必ず使うようにしている。「気象衛星画像の中の黒色の部分は晴天域の広がる所で,中緯度高圧帯(亜熱帯高圧帯)など高気圧が発達していることが多いですよ。・・・・」「一方,白色の部分は雨雲が発達している部分で,ITCZ(熱帯収束帯,赤道低圧帯)や寒帯前線など低気圧が発達している所ですよ。・・・」などと雑駁な説明をするだけで,この画像を使えば感覚的に「大気の大循環」を理解させることができてしまう。その単純さが私は好きである。おそらく同じように気象衛星画像を教具として使っている先生方も多いと思う。また熱帯低気圧(台風・サイクロン・ハリケーン)などが発生した前後何日間かの複数の気象衛星画像などを,ワープロ文書に並列して並べ,大気の状態変化を目で確認させるだけでも,生徒に対しての学習の興味づけに有用と思われる。様々な活用が考えられると思う。気象衛星画像は現在,インターネットを検索すると比較的容易に入手できる素材などで積極的な活用がはかられるべきだと思う。
ところで普段から継続的に気象衛星画像を収集していきたいという人には,フリーソフト「お天気アニメーター」という有用な道具がある。気象庁のWebサイトから画像を収集し,データを蓄積したり,そのデータをもとにしたアニメーション(最大スケールは制限なし)を閲覧するソフトである。日本域衛星画像(水蒸気画像・可視画像・赤外画像),全球画像(水蒸気画像・可視画像・赤外画像),アメダス・天気図(降水量・積雪深・気温・実況天気図)をカラー,グレースケールの両方について継続的にデータを収集することができる。例えば1年間,データを蓄積すれば,1年分のアニメーションを閲覧できる。パソコンをプロジェクターにつないで,そのアニメーションを生徒に見させることも可能である。
どのようなタイプの画像を,カラーとモノクロのどちらのパターンで入手するのかも簡単に設定ができる。このブログに掲載している画像の右側にあるのが,その設定メニューである。また画像は,全てタイプ別に整理された状態で,パソコン内に蓄積されていく。とくにヘルプメニューがないので見つけにくいが,「マイコンピュータ」の中の「MY Document」をクリックすると,そこに「OtenkiCache」というフォルダがある。さらにその中にある「Chart●●」といったフォルダの中に画像がPNG形式で保存されている。このブログの画像の左側にあるウィンドウが,そのフォルダの中身である。画像の中には,その時々の天候の荒れ具合で,クリアではない画像もあるが,このように継続的に蓄積しておけば,授業用にクリアなものをチョイスして使うということも可能である。
「お天気アニメーター」のダウンロード
■ 地球の公転距離