2-45 HP「煩悩活火山」にある活火山の鳥瞰図を活用する

現在,火山予知連絡会では「おおむね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山」のことを活火山としている。現状では日本の活火山は全部で108,「人間の煩悩」の数と同じだけある。実は,その日本国内の活火山のすべてについてカシミール3Dを使ってつくった鳥瞰図が閲覧できるのが,「煩悩活火山」というHPである。以前,土地利用メッシュの作成についてウェブ上の資料を使わせていただいた,駒澤大学で教鞭をとられている気象予報士・平井史生氏のHPである(
http://www.komazawa-u.ac.jp/~fumio/volcano/volcano-index.html)。
高校の地理教員でもカシミールを使って鳥瞰図を作成している先生方も大勢いると思うが,日本全国の活火山について完成した鳥瞰図がすぐに閲覧できるのはこのページだけであると思う。すでに山地地形の学習で,シュナイダーの分類を扱うことは学術的にはあまり意味をなさないという先生もいるが,観光ガイドブックなどにも,円錐形の山はコニーデ(成層火山)は,傾斜のゆるい山はアスピーテ(楯状火山),複式火山はカルデラとして扱っていることも多い。それらのものぐらいは覚えさせたほうがいいのだろう。
閲覧できる鳥瞰図のファイル形式はpng形式で,JPG形式と同様の処理ができる。確かにカラー画像なので,「モノクロの紙ベースの教材」を作るためには,Photo Shopの「イメージ→モード→グレースケール」の機能でモノクロにしたり,「画質調整→ライティング」の機能で図を明るくする画像処理。さらにはPhoto ShopやIllustratorなどによって,それらの画像処理によって見ずらくなってしまうテキスト部分
について,上から同じテキストを黒字でかぶせていったりといった二次加工が必要となる。
しかしこの鳥瞰図の中には,該当する活火山とその周辺の山々の名称,そして活火山の標高,さらにはカルデラの場合には内輪山と外輪山の火口のスケールなどが表示されている。コニーデの典型例として富士山,アスピーテの典型例として八幡平などの画像を活用すれば,生徒にとっても見やすい図になる。有用性はあると思う。
自らカシミール3Dで鳥瞰図を作りたいというオリジナルにこだわる場合は,このHPの鳥瞰図や図中のデータを参考にしながら作成すればよい。
煩悩活火山
Adobe Illustrator CS3
AdobePhotoshop
■ 地球の公転距離