2-44 「社会経済データランキング」のHPでつくれる「2次元クロスランキング図 」の活用①

明治大学国際日本学部の准教授で日本社会システム論で教鞭をとられている鈴木賢志氏のHP「社会経済データランキング」では,「人口・家族 経済 環境・エネルギー 経済構造・貿易・投資・ビジネス・経営 労働・雇用・教育・スポーツ 情報・技術 公共部門 社会問題・健康・食物」といった様々な項目について,国別順位と統計数値が示されている。
地理教材作成にあたっては,生徒への興味関心をひくようなものをつくることが一つの課題であるが,このHPには,「漫画をよく読む若者」「オリンピックメダル数」などの統計についても,ランキングがなされされている。世界のすべて国が対象のランキングになっているわけではない。しかし統計から地域性を読み取らせることへの興味付け資料としては,有用であると思う。とくにランキングとともに,国別の統計数値も示されているため,その数値をMANDARAにインプットして,分布図を作成することも可能である。
なおこのHPで私が面白いと思ったのは,二つの項目要素のランキングを一つの図に反映させた,「2次元クロスランキング図 」がつくれることである。これは二項目同士の相関を考えさせるときに有用な図である。なおこのブログに掲載しているのは,ノーベル賞の受賞者数全賞(1901-2003年)と,オリンピックメダル数(夏季)加重メダル数(2004年-アテネ)の相関を見たいと考え,私が出力した図と,それをエクセルに貼り付けて,二次加工して作成したものである。見ると,ノーベル賞受賞者の多い国は,オリンピックでも多くのメダルをとっている国が多い。スポーツと学問の両面の教育が充実していることの反映ということができるのだろうか。しかし反対にノーベル賞あるいは,オリンピックの受賞者の一方だけが多いという国も存在しており,その点の要因を考えるだけでも様々なイマジネーションを刺激する。正直いって,クロスランキング図の中に国旗の絵柄がカラーで挿入されているので,紙ベースの教材としては,そのまま使えないかもしれない。しかし生徒に「地域性」を考えさせる教材の素材としては大変,有用である。
経済社会データランキング
■ 地球の公転距離