2-38 オゾンホールの画像を加工する

地理屋が扱う地球環境関連の図としては,オゾンホールの図がある。作図に使う原図の数については,アメリカ航空宇宙局NASAの「Ozone Hole Watch」というHPの「Historical Ozone Maps」というページが最も充実しているように思う。つまり1979年から2007年までの7月~12月までのオゾンホールの画像がアップされている。(
http://ozonewatch.gsfc.nasa.gov/monthly/index.html)。ただしこの画像は,オゾンの濃淡を色彩の違いによって示している視覚に訴える画像になっている。画像形式はPNG形式などである。そのためプリントを前提にしたモノクロ画像に加工するためには,濃淡が明確になるような処理が必要である。
私の場合,この様な画像処理にも,IllustratorCS3などに装備されているライブトレース機能を活用する。つまりまずその図を,トレースオプションの詳細な設定をした上で「ライブトレース」を行う。トレースオプションでは,カラーモードをグレースケールとするがし,さらに「誤差の許容範囲」「最小範囲」「コーナー角度」などの値をなるべく小さな値に調整し,「トレース」のボタンを押す。なおこのときより細部にこだわったトレースをしたい場合,最大カラー数の数値を大きくする。そしてその後,メニュー上の「拡張」ボタンを押しトレースを確定する。すると濃淡のコントラストがはっきりしたモノクロ画像がほぼできあがる。あとは全体の画像が濃くてプリントアウトするときに心配であれば,図の全体を指定して,「不透明度」のパーセンテージを上げる処理をする。これで完成である。
アメリカ航空宇宙局NASA「Ozone Hole Watch」
Adobe Illustrator CS3
■ 地球の公転距離