2-27 地形図とIllustratorを使った地形図で面積を求める教材の作成

地形図は地理屋にとって重要な教材開発の素材である。実際の授業には現物の地形図を使っていくのが理想である。私の「地形図上の湖の面積」などを「方眼法」で求めさせる作業でも,地形図に方眼入りのトレッシングペーパーをかぶせて,湖の輪郭を書き取らせるところからはじめるのが,以前のやり方であった。しかし残念なことに,方眼入りのトレッシングペーパーを使う人が少ないのか,最近.方眼入りのトレッシングペーパーを扱っている文房具店も少なくなった。
そこで私は昨年度から地形図学習のうち,「面積計算」の部分などについては,Illustratorを使って作成した自主教材で対応することにした。つまりまず地形図をスキャナーで読み込んで地図ファイルをつくる,そしてそのファイルを改めてIllustaraorで開き,それを最下位のレイヤーにおいて「下絵」とする。もちろん「下絵」にする地図は,画面上で実物大(100%)の大きさにサイズ調整しておく。あとは,その上層のレイヤーに,1cm間隔のタテ・横の直線を引いてやるだけである。
これを原寸大(100%)で印刷すれば,方眼法による面積算出の教材となる。このブログにのせているのは,中禅寺湖の25,000分の1の地形図を下絵として作成したものである。この図のように下絵の上にトレースする内容によって,距離計算,谷線・尾根線の教材も簡単にできる。ただし注意点としては,実際に教材にするときのサイズが実物大になるような印刷調整を必ず加えていくという点がある。地形図は繊細な地図なので,その点は注意しなければならない。
Adobe Illustrator CS3
■ 地球の公転距離