2-13 カシミールとIllustratorを使った等高線地図の作成

地理屋は研究でも、教材研究でも、「自分自身で主題図をつくること」が基本的な仕事のひとつだと思う。しかし私は以前は、ロッドリングペンによる製図が苦手で、描く図もあまり上手ではなかった。よく恩師から「お前はセンスがない」とののしられていた。ロッドリングを使って土地利用図をつくろうとすると,必ずといっていいほど、途中で線がにじにんでしまったり,曲がったりしてしまったので,山間地の等高線を書くときなどには本当に神経をすり減らす思い出あった。しかし数年前、義理の弟からタダでもらったイラストレーター8.0をいじっていたのがきっかけで、ここにあるような図がかけるようになった。
等高線地図は.このブログでも紹介したように,現在では数値地図を使って,MANDARAで作成する方法もある。しかしこの方法では線がギクシャクしたり,途中で線が切れていたりするので,結局あとで,本物の地図をみながら,Illustrator上で地図の補正をする必要がある。
もちろん精巧な等高線地図をパソコン上で作成するソフトもあるのだろうが,非常に高額なソフトになることは間違いない。
したがって私が今のところ,等高線地図をつくる際にもっともおおくとる方法はIllustratorを使った単純なトレース作業である。私が現在使っているのはIllustratorCS3という最新バージョンのものだが,このひとつ前のCS2とCS3には,オートトレース機能というのがあるが,現在のところ,この機能は等高線地図作成に使えるほど高まっていないといえる。
時間はかかるかるもしれないが,私は現在のところもっとも完成度の高い地図をつくる方法は,このローテクともいえるトレース作業だと考える。
私の場合,カシミール3Dから等高線地図を作りたい場所について,「範囲指定」して,地形図データをjpeg形式でコピー。それをIllustratorの新規ファイルにペーストするところから,いつもその作業ははじまる。山間地は崩壊地形になっていてなかなか等高線がみつからないところもあり,大変な作業であることは確かであるが,できあがったときの完成度と,昔のロットリングペン時代の作業を考えると,私はこの作業が好きである。
なお私はまだ購入していないが,Illustratorに対応する「ペンタブレット」を購入し,Illustratorの「ペンツール」で作業を進めれば,効率よく等高線地図が作成できるはずである。
なお図は私が一昨年作成した庄川扇状地の等高線地図である。
カシミール3D
Adobe Illustrator CS3
■ 地球の公転距離