3-405 MANDARAでグローバルスケールの主題図を作る①

埼玉大学教育学部 の谷謙二氏のMANDARAは,日本でもよく知られる定番のGISソフトである。私も,有料版だった10年以上前から,ずっと個人の山村研究や教材研究,そのほか様々な場面でお世話になってきたソフトである。その機能は,統計地図を作れるだけでなく,等高線地図を作ったり,国土交通省の基盤地図情報の地図化も手軽に行えるなど多機能である。Illustratorとの相性がよかったり,esri社のファイル形式であるシェイプ形式にも対応していたり,経緯度情報を含んだデータがあればGoogleEarth地図も作れるなど「将来おとずれるだろうGISソフトの標準化時代を考えているのだろうか?」といった卓越した機能ももっている。しかし,残念ながらわれわれ高校地理の現場では,「なかなか活発に利用されていない現状」,あるいは「使いこなせていない現状」がある。それは高校地理でおもに扱う対象地域が「世界」であるのにもかかわらず,MANDARAでグローバルスケールの主題図を作る作業が「難しい」とか「煩雑」であるという一般認識があるためだと考える。つまり国境線データをどのように入手すればよいか,あるいはそれらの地図作成に必須の海外統計の入手先,その統計の加工処理の手順が整理されていないためである。私の所属する群馬県高校教育研究会地理部会のGISワーキンググループでは昨年,国土交通省のGIS活用推進事業の指定を受け,このMANDARAをとりあげたが,その活動の中で,自分なりに考えた方法の一部をすこしだけ述べたいと思う。
地理情報分析支援システム MANDARAフリーGISソフト
■ 地球の公転距離