3-376 時差計算の授業に使えるタイムゾーンマップ

「高校地理」で時差計算の授業を行う場合,「経度」といった位置情報から時差を割り出し,計算させるやり方をとる先生方が多いが,あの方法は間違いである。あの方法は,日の出時間を割り出したりするには有効だが,正しい時差計算の答えを導き出せる方法ではない。机上の空論である。世界の国々の中にはデイライトセイビングタイム(サマータイム)を採用している国もあり,中華人民共和国のように広大な国土を持ちながらたった一つの時間帯しか採用していない国もあり,インドのように独立時間帯を使用している国もある。したがって私は,時差計算の学習では,あくまでも「タイムゾーンの地図(等時帯の図)」を使って授業をするのが基本だと考える。地図帳にもデイライトセイビングタイムや,タイムゾーンの図は載っているので,それらを使用するだけである。わたしも地図帳を使って時差計算の授業をやっている。ただしタイムゾーンの設定は随時更新されているものなので,よりリアルな時差計算を追求する場合には,最新の「タイムゾーンの地図(等時帯の図)」を使うのが望ましいと考える。その点,最近では,そうしたリアルタイムのタイムゾーンマップを,インタラクティブマップの形式で公開しているウェブサイト(大半が英文サイト)も多い。とくに画面も大きく,比較的見やすいと思われるのが「Explore the Interactive World Time Zone Map」のインタラクティブマップである。ここでは地図上の任意の地点をクリックすると,「その地点における時間」が表示される。時差計算の学習などでの活用が考えられるサイトである。ICT機器などが教室で使えるような環境であれば,授業での導入も考えられる。操作は非常に単純で,マップの上をマウスポインタを移動させるだけで,マップの上部に,マウスを合わせた場所の「時間」と,それがデイライトセイビングタイムの影響を受けた場合の時間が表示される仕組みになっている。なお残念な点は,デイライトセイビングタイムの情報が反映されていないといった点である。
インタラクティブなタイムゾーンマップを活用する
■ 地球の公転距離